全般
古めかしいゲームデザイン
リメイク版の登場により、かなり遊びやすくなった Dragon Quest 2 ですが、原作は30年以上前に制作されました。その名残はゲームバランスに色濃く残っています。レベルを上げずにダンジョンに突入したり、装備を買い替えずにボスに突撃すると簡単に全滅します。
記憶が正しければ、制作者は Wizardry などの古典的な RPG に親しんでいて、ゲーム制作において Wizardry の影響を受けているとのこと。Wizardry ほど「初心者お断り」的なバランスではありませんが、「無理をすると簡単にやられる」ことは間違いありません。
キャラクターを育てたり装備を整えることを面倒くさがらずに慎重に進めていきましょう。基本的にゴリ押しは通用せず、即決の小細工もありません。また、最終決戦はメンバー全員が最強装備を身に着けていることを前提としたバランスになっているので、中盤以降は各地で装備品を集めるようにしましょう。
隅々まで探索
最近の RPG ではパーティーが強くなってから序盤のエリアに戻る必要が生じるようなデザインはほとんど見かけませんが、Dragon Quest 2 では序盤のエリアに貴重なお宝が眠っていたり、重要アイテムが隠されていたりします。
序盤には鍵を持っていない為に探索できなかった場所に貴重なアイテムが存在するというのが1つのパターンです。攻略情報などを極力見ずに攻略する場合は、序盤に入れなかった場所などを記憶・メモしておき、中盤以降に新しい鍵が手に入ったら戻ってみるとよいでしょう。
戦略・戦術
3人という絶妙なバランス
戦闘というのは人数がいれば楽になるもので、戦闘に参加できるパーティーメンバーが多い RPG は基本的に難易度が低くなります。その分、敵の強さで難易度が調整されたりします。
このドラクエシリーズは元々主人公が1人で、本作 (ドラクエ2) で3人になり、ドラクエ3で4人になって、以降4人のままだったり3人だったりします。難易度は上がったり下がったりですが、概して後期の作品のほうが簡単です。他にも、例えば、FF シリーズは元々4人で、後期の作品は3人ですね。その分、初期の作品は難しく後期の作品はヌルいです。
戦闘参加人数が6人もいる Wizardry 系はあの凶悪なモンスター達がいなければ、かなり簡単だったでしょう。逆に言えば、それでは簡単になりすぎてしまうから、ロストしたらキャラが消えるだとか、即死やレベル下げ、アイテム破壊など、モンスターの凶悪な特殊攻撃でバランスがとられていると言えます。
さて、この Dragon Quest 2 はと言うと、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女の装備が厳しく制限されていたりHPや守備力が低い割に、敵のほうは結構強いんです。それでいて、戦闘参加人数が3人と少な目ですから、戦闘がけっこう大変なんです。少ない人数で強い敵と戦うゲームデザインということになります。
フルに働かせる
全般
少ない人数で強い敵と戦わなければならないゲームで、遊んでいる (あまり役に立っていない) キャラクターがいると苦戦します。まずは、役割分担を明確にした上で、全員がフルに活躍できるように工夫していきましょう。
ローレシアの王子
ローレシアの王子は呪文が使えませんから肉弾戦担当です。基本的には直接攻撃ばかりしていればいいのですが、それだけでは他のメンバーが手一杯の時や倒れた時に苦労します。
中盤以降は、ちからのたてを所持しておいて戦闘中に自分の傷を回復したり、まどうしのつえやいなずまのけんを道具として使用して敵グループを攻撃できるようにするとよいでしょう。これだけでも戦術の幅はかなり広がります。
他にも、せかいじゅのはを所持しておいてザオリク担当のサマルトリアの王子とムーンブルクの王女が同時に倒れた時に緊急蘇生ができるようにしておくと万全です。
ムーンブルクの王女
色々と立ち回りが難しいサマルトリアの王子はひとまず置いておいて、ムーンブルクの王女の戦術を考えてみましょう。
王女は典型的なスペルキャスターで、肉弾戦は全くダメですから、基本的に直接攻撃をしてもほとんど意味がありません。王女が直接攻撃する意味があるのはメタルスライムとはぐれメタルくらいです。これは王女が最強武器のいかずちのつえを手にした後も変わりません。したがって、王女は魔法の呪文で攻撃するのが基本になります。
しかし、いのりのゆびわの使用回数にも限度がありますから、毎度呪文で攻撃し続けていてはMPがすぐに枯渇して探索どころではなくなります。そのため、ローレシアの王子と同じく、呪文の効果を持つ道具に頼るということも必要になってくるわけです。
基本的に、いかずちのつえが手に入るまではまどうしのつえを道具として使用してグループを攻撃し、いかずちのつえが手に入ってからこちらを道具として使用してグループを攻撃しましょう。バギやイオナズンは強敵にのみに使い、MPを節約してピンチの時にベホイミやベホマを使えるようにしておきます。こうすれば長旅も安心です。
サマルトリアの王子
戦士と魔法使い両方の性質を持つサマルトリアの王子には典型的な役割というものがありません。ローレシアの王子と二人旅の頃は呪文による攻撃と回復を担当しますが、しばらくすれば魔法のエキスパートであるムーンブルクの王女が仲間に加わるので、呪文担当は王女に移ります。
物理攻撃、呪文による攻撃・回復いずれを担当するにしても、ローレシアの王子ほどの攻撃力もなければ、ムーンブルクの王女が使う攻撃呪文や回復呪文より一段劣る威力の呪文しか持ち合わせていません。
こう考えるとなかなか運用が難しい微妙な感じがしますが、実際にはそうでもなく、やはりサマルトリアの王子がいないとこのパーティーはやっていけないことが判ってくるはずです。結論から言うと、サマルトリアの王子は、ローレシアの王子とムーンブルクの王女の手が回らない部分をサポートするのが正解だと思いますが、この部分をもう少し掘り下げて考えてみましょう。
総括
冒頭でも述べた通り、この戦闘参加メンバー3人という微妙な人数では、なにより全員が効果的に動くことが重要になります。だから少し発想を変えて考えてみましょう。
このゲームには単体に大ダメージを与える攻撃呪文がありません。続編の Dragon Quest 3 では、メラミやメラゾーマのような単体に大ダメージの呪文が追加されましたが、この Dragon Quest 2 (リメイク版) の攻撃呪文は全て敵グループか敵全体が対象です。この特徴を平たく言うと、以下のようになるでしょう。
- 物理攻撃=(回避されなければ必ず効く) 単体攻撃
- 呪文攻撃=(効かないかもしれない) 複数攻撃
すなわち、肉弾戦のエキスパートであるローレシアの王子は、必ず効く単体攻撃担当。呪文のエキスパートであるムーンブルクの王女は、効くかどうかは運次第のところもある複数攻撃担当ということになります。そして、一応その両方ができるサマルトリアの王子は、単体・複数攻撃担当と言えます。
こう考えれば、3人の効果的な立ち回りは自ずと決まります。少ない敵には王子2人で物理攻撃を行い、ムーンブルクの王女はルカナンなどによる補助を行う。敵の数が多い時は、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女で呪文攻撃を行い、ローレシアの王子はまどうしのつえを道具として使って攻撃したり、ちからのたてを道具として使って回復を行う。
大した結論ではありませんが、中盤以降の戦闘で苦戦することが多くなったら、このことを念頭に置いて組み立ててみるといいかもしれません。