DOSエミュレータ
概要
現在のPCでDOS時代のゲームを起動させるには、DOSのエミュレータと多少のDOSコマンドの知識が必要です。この記事では、TES: Arenaを例にして、DOS-BoxというDOSエミュレータの使い方を解説します。
エミュレーターとは
エミュレーターとは別のシステムを模倣 (エミュレート)するプログラムのことです。今回は、現在の Windows 機の上で仮想的にDOS時代のパソコンを動かしてみます。
DOSとは
いきなり「DOS」と言っても、もしかすると若い人は知らないかもしれないので簡単に説明しておきます。DOS とは マイクロソフトが Windows の前に提供していた OS のひとつです。MS-DOS (Microsoft Disk Operation System)のことを略して DOS と呼ばれています。
TES: Arena をインストールしよう
TES: Arena とは
2011年末に最新作スカイリム (Skyrim) が発売され、世界中で絶賛されている エルダースクロールズシリーズ。そのシリーズ初作 Arena は1994年に発売されました。現在、Arena は無料で提供されています。
Bethesda がこの大作シリーズの初作を無料で提供してくれるのはうれしいことです。この機会に初作に触れてみるのもいいかもしれません。かくいう私も初作 Arena はプレイしたことが無いので、この機会に遊んでみることにしました。
必要なものをダウンロード
Arena は MS-DOS 用のゲームなので、そのままでは現在の Windows で遊ぶことはできません。ダウンロードページにも明記されていますが、DOS のエミュレーターを併用する必要があります。
まず、下記のリンク先から Arena 本体と DOSBox v.73 の両方をダウンロードしてください。
Arenaをインストール
ElderscrollsArena106.exe を実行すると次のような画面が表示されます。
赤枠で囲んだところ(Destination Folder)がインストール先になります。私は「C:\Arena」としました。これはCドライブの直下に「Arena」というフォルダを作ってインストールするということです。ここまでは普通のアプリケーションのインストールと同じです。
この後、今 Arena をインストールしたフォルダを DOSBox でマウントする必要があるので、インストール先を覚えておいてください。自信の無い人は私と同じく、C:\Arenaにしておいてください。マウントというのは「読み込み先に指定する」ような作業と思っておいて下さい。
DOS-Boxをインストール
次に DOSBox をインストールして起動します。懐かしい DOS の画面が立ち上がり、簡単な説明が英語で表示されます。今あなたの Windows 上で仮想的に MS-DOS のパソコンが動いていると考えればよいでしょう。
今以下のような画面になっていると思います。
DOS では Z:\> の右側に文字でコマンドを打ち込んで命令を実行します。
DOS の画面上部で説明されているとおり、「Intro」と入力すれば、簡単な説明が表示されます。説明の内容が分からなくても大丈夫です。
ArenaフォルダをDOS-Boxでマウント
先ほどインストールした Arena を C ドライブとしてマウントさせるには、
Z:\>mount c c:\Arena
と入力します。決定は Enter キー押下です。実際には下図のような入力画面になります。
これは「仮想的なCドライブを作り、そこに C:\Arena フォルダをマウントしなさい」というコマンドになります。他のフォルダに Arena をインストールしている場合は C:\ の部分をインストール先のパスに変更してください。
また、コロン(:)は日本語キーボードの「:」では入力できないので、Shift キー+セミコロン「;」で入力してください。
成功すると、
Drive C is mounted as local directory C:\Arena\
と表示されるはずです。
これでこのエミュレーター上の仮想ハードディスクドライブCに先ほどの Arena をインストールしたフォルダが読み込まれました (=マウントが完了した)。
Arena を起動
Cドライブに移動
DOS 上でドライブを移動するコマンドはドライブ名にコロン(:)を付けます。
Cドライブに移動する場合は、
Z:\>C:
と入力します。
では、Cドライブに移動してディレクトリの中を見てみましょう。DOS 時代には「フォルダ」は「ディレクトリ」と呼ばれていました。厳密には少し違う概念ですが、同じものだと思ってかまいません。
Z:\>C: と入力して Enter 押下してください。
するとドライブCに移動して、
C:\>
となるはずです。これでCドライブへの移動が完了しました。
Cドライブの中身を確認
続けて、
C:\>dir
と入力してみてください。
ディレクトリ(フォルダ)の中身が表示されます。
この中に Arena というディレクトリがあります。
「.」と「..」というのは DOS 上でディレクトリを開くと表示される実体の無いディレクトリです。この場合、実質的には Arena というディレクトリしか存在していません。
Arenaフォルダに移動
では、ゲームを実行するために、ゲームの起動プログラムが入っている Arena というフォルダに移動しましょう。
C:\>cd Arena
と入力してください。
C:\ARENA>
となるはずです。これで移動が完了しました。
ちなみに、cd とはディレクトリに移動するコマンドで、Windows のエクスプローラでフォルダをマウスでクリックしているようなものだと思ってください。
Arenaを起動
このディレクトリの中に Arena.bat という起動用のバッチファイルが入っているので、
C:\ARENA>Arena
と入力してください。
無事起動できましたか?
古めかしいグラフィックに風格すら感じますね。ゲーム内容については、機会があれば改めて記事にしたいと思います。