Dragon Age: Inquisition


Dragon Age の世界観の基礎知識

概要

世界観

Dragon Age シリーズには重厚な世界観が存在し、会話やイベントでは、世界観の知識を前提とした展開が少なくありません。このページでは、ストーリーの理解に必要な知識を簡潔にまとめています。

なお、世界観における歴史時代以降の事実、すなわち、Dragon Age: Origins、Dragon Age 2 のメインストーリーに関する記述は、両ゲームの完全なネタバレになるので、未プレイの方はご注意ください。

年表

時代時期出来事
古代(紀元前)8000年頃セダス大陸にエルフの都市アーラサンが誕生
古代(紀元前)5000年頃人間がセダス大陸に渡来
古代(紀元前)1195年人間がセダス北部にテヴィンター大帝国を建国
古代(紀元前)395年テヴィンターの賢者が黄金の都への侵入
賢者がダークスポーンに変貌(第1次ブライト)
古代(紀元前)305年アンダーフェルスのワイスハウプト砦にてグレイ・ウォーデン結成
古代(紀元前)203年第1次ブライトが終結
預言者アンドラステが北フェレルデンで誕生
古代(紀元前)100年頃審問会が設立
栄光の時代初期デイルズエルフとオーレイ人との間に戦争が勃発
塔の時代3:10年第3次ブライトが発生
塔の時代3:87年教義の不一致により教会が分裂
有徳の時代5:12年第4次ブライト発生
有徳の時代5:42年カレンハドがフェレルデン王国を建国
鋼の時代初期ドラゴンとクナリ族がセダス大陸に侵攻
嵐の時代中期クナリ族と人間が停戦
嵐の時代後期グレイ・ウォーデンがフェレルデンから追放
祝福の時代初期オーレイがフェレルデンを支配
祝福の時代8:98年フェレルデン解放軍が結成
竜の時代9:3年フェレルデンが独立しマリクが戴冠
竜の時代9:10年グレイ・ウォーデン追放令が解消
竜の時代9:20年フェレルデンとオーレイが和平協定を締結
竜の時代9:25年ケイランがフェレルデン王位を継承
ケイランとロゲインの娘アノーラが結婚
竜の時代9:30年第5次ブライトが発生
→ Dragon Age: Origins のメインストーリー
竜の時代9:37年テンプル騎士と魔道士が戦争に突入
→ Dragon Age 2 のメインストーリー

歴史時代の詳細

黎明期

紀元前8000年頃、セダス大陸にエルフの都市アーラサンが誕生する。紀元前5000年頃、人間がセダス大陸に渡来し、紀元前1195年、テヴィンター大帝国が建国される。

大帝国の成立

テヴィンターでは黄金の都に存在するという古代神が信仰されていた。黄金の都とはフェイドの次元に存在する都市で、神々の存在する場所と考えられていた。古代神は人間に魔法の力を授け、その中には後に禁忌となるブラッドマジックも含まれていたという。

魔法に長けた者は「賢者」と呼ばれる支配階級に属し、絶大な権力を誇った。魔法の力による強大な軍事力で大帝国は南部に侵攻し、着実に領土を広げていく。遂には北フェレルデンまで勢力を伸ばし、その過程で蹂躙したエルフを奴隷化する。

第1次ブライト

魔力により人間界において圧倒的な力を手にしていながら更なる力を求めた賢者達は、紀元前395年、魔力を用いて「裂け目」を開き、黄金の都に侵入する。自らが神になろうと欲したのである。その穢れにより黄金の都は漆黒の都に変貌し、賢者達はそこに囚われることとなった。

漆黒の都で古代神デュマトはアーチデーモンに、囚われた賢者たちはダークスポーンに変貌した。第1次ブライトの発生である。後に、この歴史的事件は「賢者達は神になろうとした罪の穢れによりダークスポーンとなった」と後世に伝えられる。

ダークスポーンの侵攻により地上は戦火に包まれ、テヴィンター大帝国は崩壊寸前、ドワーフの都市は小さな洞窟に分断された。

紀元前305年、アンダーフェルスのワイスハウプト砦に集結した戦士達によりグレイ・ウォーデンが結成される。ウォーデンの活躍により、紀元前203年、長きに渡って地上を破壊し続けた第1次ブライトが終結する。

アンドラステ

第1次ブライトが終結した頃、後に偉大な預言者として崇拝の対象となるアンドラステが北フェレルデンで誕生する。成長したアンドラステは「創造主」と呼ばれる新たな神を信仰し、独自の思想を形成した。

アンドラステは人種差別と魔法による支配を排除するため、部族を率いてテヴィンター大帝国と奮戦。戦いは優勢に進んだが、勝利目前となった時、獅子身中の虫というべきか、夫マフェラスの裏切りによりアンドラステはテヴィンター大帝国に売り渡される。

裏切りの理由は、妻アンドラステの名声に対する嫉妬と、権力の渇望というものだった。アンドラステを犠牲にした和平により、マフェラスはフェレルデン一帯の統治権を与えられる。そして、自身はフェレルデンを統治し、息子達にはオーレイ、ネヴァラ、自由連邦を与えた。

アンドラステとテヴィンター大帝国との戦いはこうした幕切れとなったが、生前に起こした奇跡や悲劇的な死は人々に多大な衝撃を与え、各地でアンドラステ信仰が芽生える。教義は『光の聖歌』としてまとめあげられ、新興宗教としてセダス全域に広がっていった。

光の聖歌の有名な一節Magic exists to serve man, and never to rule over him.(魔法は人類に奉仕するためにあり、人類を支配するためのものではない)はアンドラステの思想を最も端的に表していると言える。

人間とエルフの戦争

栄光の時代、オーレイ人とデイルズエルフの間の緊張が高まり戦争が勃発するが、アンドラステ教会が主導となって組織した有徳軍がエルフを打破することによって終結する。

この際、教会は世情不安に乗じて、テンプル騎士団、サークルを各地に設立して大陸中の教化に成功する。これを機に、魔道士がサークルに送還され監視下に置かれるという現在の社会規範が確立された。

教会の分裂

塔の時代、教義解釈の不一致により、教会が分裂する。テヴィンター大帝国の教会はオーレイの教会から独立し、独自の代表者「黒の教皇」の位を設立した。

なお、現在の大帝国では、アンドラステは魔女であると認識されており、セダス南部諸国におけるような信仰の対象にはなっていない。オーレイの白の教皇には女性が選出されるのに対し、テヴィンター大帝国の黒の教皇には男性が選出される所以である。

クナリ族の侵攻

鋼の時代、独自の信仰(キュン)を持つパー・ヴォレン島の部族クナリがセダス大陸に侵攻する。テヴィンター大帝国とオーレイの教会は有徳軍を結成してクナリに立ち向かうが戦争は長期化、約150年もの間続いた後、嵐の時代になってようやく停戦が実現した。

フェレルデンの解放

祝福の時代、フェレルデンとオーレイ間に戦争が勃発、オーレイが勝利を収めフェレルデンは属領となる。

祝福の時代 8:98年、フェレルデン建国の祖カレンハドの直系子孫であるマリク・セイリンが解放軍を組織。自身がリーダーとなってフェレルデン独立を掲げて奮闘する。

竜の時代(= Dragon Age) 9:3年、英雄ロゲイン・マクティアの活躍もあり、解放軍はついにフェレルデンの独立に成功。マリク・セイリンはデネリムで戴冠して王位に就く。9:20年、フェレルデンとオーレイが和平協定を締結。

ケイラン王の即位

竜の時代 9:25年、マリク王の息子ケイランがフェレルデン王位を継承する。同時に、ロゲイン・マクティアの娘アノーラとの婚礼が行われる。

そして、若いケイランを補佐するという名目のもと、ロゲインは摂政としてフェレルデンの実質的な支配者となる。

第5次ブライト

フェレルデン南部のコーカリ荒野にて第5次ブライトが発生。フェレルデン正規軍とグレイ・ウォーデンの連合軍はオスタガーでダークスポーンを迎え撃つ。
 → Dragon Age: Origins

一方、ホークという名の人物がダークスポーンによって蹂躙されたロザリングを家族と共に脱出し、カークウォールに辿り着く。
 → Dragon Age 2

Dragon Age: Origins

オスタガーの大敗

フェレルデン正規軍とグレイ・ウォーデンの連合軍はオスタガーでダークスポーンを迎え撃ったが、次第に敗色濃厚となる。参謀を務めていたロゲインは、前線にいるケイラン王の部隊を見捨てる決断を下し、全軍に撤退を命じる。

ケイラン王およびグレイ・ウォーデンのリーダーであるダンカンは戦死したが、主人公とグレイ・ウォーデンのメンバーであるアリスターは魔女フレメスに救出され、一命を取り留めた。また、このときにフレメスの娘モリガンが一行に加わる。

一方、デネリムに帰還したロゲインは、オスタガーでの大敗をグレイ・ウォーデンの裏切りによるものであると流言する。娘のアノーラを女王に据え、フェレルデンの実権を完全に掌握。

グレイ・ウォーデンの協定

主人公とアリスターはブライトに立ち向かうため、グレイ・ウォーデンの協定を行使して、各地の勢力に働きかける。その過程でレリアナ、スタン、ウィン、ゼブランが主人公一行に加わることになる。

紆余曲折を経て、グレイ・ウォーデンは、レッドクリフの騎士、ドワーフ、デイルズエルフ、サークルという4つの勢力との同盟に成功。

決戦

各地の勢力と同盟を結び力を蓄えたグレイ・ウォーデンは、デネリムでの諸侯会議でロゲインの不正を糾弾し、ロゲインを討ち取る。続いて、デネリム市内におけるダークスポーンとの最終決戦にてアーチデーモンを撃破した。

Dragon Age 2

カークウォールへ

本編の主人公ホークは第5次ブライトにより破壊されたロザリングから避難し、港町カークウォールに辿り着いた。その過程で弟のカーバーまたは妹のベサニーが命を落とし、同じく夫を亡くすアヴェリンと知り合う。

地底回廊の探検

カークウォールに定住したホークはヴァリックと知り合い、地底回廊の探検に興味を持つ。カークウォールの生活の中で海賊のイザベラ、奴隷エルフのフェンリスと知り合い、デイルズのキャンプで魔道士メリルと知り合う。

また、地底回廊の地図を求めてウォーデン背教魔道士のアンダースとも知り合うことになる。アンダースはテンプル騎士に追われる身であり、教会に対して苛烈な憤りを持つ人物であった。

地図と資金を用意したホーク一行は、ヴァリックの兄が指揮する探検隊に参加し、地底回廊で秘宝を発見する。しかし、レッド・リリウムの影響でヴァリックの兄は精神に異常をきたし、ホーク一行を地底回廊に置き去りにする。地底回廊に取り残された一行は別の出口を発見し、辛うじて難を逃れる。

クナリの襲撃

様々な陰謀を経てカークウォールに滞在していたクナリ族の一軍がカークウォールへ侵攻を開始する。カークウォールは戦火に包まれ、混乱の中で子爵はクナリのアリショック(リーダー)に殺害される。

ホーク一行はカークウォールのテンプル騎士団長メレディスと筆頭魔道士オルシノの協力を得て子爵邸に到着し、アリショックと対峙。

アリショックとの会話の中で、イザベラが盗んだキュンの写本を捜索するためにカークウォールに滞在していたことが判明する。最終的に一騎打ちにてホークがアリショックを討ち取る。

テンプル騎士と魔道士の戦争

カークウォール内では様々な事件を通してテンプル騎士と魔道士の緊張が高まり一触即発の様相を呈していたが、大僧正エルシナの働きによって辛うじて最悪の事態は避けられていた。

事態を憂慮した教皇ジャスティニア5世は、腹心のレリアナ(シスター・ナイチンゲール)をカークウォールの視察に派遣する。その間も、テンプル騎士と魔道士の緊張が高まり、メレディスとオルシノの関係も悪化していく。

一触即発の状態の中、教会への怨恨が頂点に達したアンダースがカークウォールの教会を独断で爆破する。その時、唯一の調停者であった大僧正エルシナが爆発に巻き込まれて死亡。

教会爆破と大僧正死亡の報せを聞いて激昂したメレディスは、解散権を即時発動し、カークウォールのサークルへの攻撃を開始する。一方、オルシノ率いる魔道士は選択の余地なく応戦。かくしてテンプル騎士と魔道士は全面戦争に突入する。

カークウォールに端を発する緊張はセダス全土に波及し、各地でテンプル騎士と魔道士の戦闘が発生する。教皇ジャスティニア5世は、事態を収拾するため、テンプル騎士と魔道士の講和会議を設けた。しかし、教皇は謎の死を遂げ、手に謎の印を持つ者が一人生き残っただけだった。
 → Dragon Age: Inquisition